<< 病み上がり | main | 医療事務1年生 >>

告別式の(もしくは結婚式の)歌

0
    霜が降りたバラのつぼみ

    人が暮らしていく上で感じる、
    小さな幸せ。


    幼い子供が初めて
    言葉をしゃべった時とか、

    苦手だと思っていた人と
    仲良くなれた時とか。


    ささいな出来事で、他人には
    何の関係もないことかもしれない。

    でも、それぞれの人生の中で
    かけがえのない宝物となっていく。



    そういった「幸せ」を
    感じられなくなったり、
    共感できなくなったり、
    自分の生活の中で
    見つけられなくなったりした
    時がある。


    もともと「幸福感」を
    得がたい性格なんだと思う。



    他人の喜びなど「けっ」って感じで、
    不愉快でしかなく、

    社会の何もかもが無機質に思えて、
    自分とは遠い世界のことのように感じて。


    自分はもう、この地上では
    何の楽しみも感動も
    感じられないのではないか?

    この世にいる意味など、
    ないんじゃないか?

    って、どんどん深みにはまって
    ずいぶん長い間、脱け出せなかった。

    たとえ、全ての喜びやときめきから
    無縁のように思えても、

    自分が見はなした人生でも、
    神様はつき離すことはない。


    と分かっていても、それを
    「(神様に)束縛されてる
    と思えた時期もある。


    この地上ではなんとも息苦しいし、
    もし天国が楽しい所なら
    早く天に召して下さい、

    と訴えたこともある。


    でも、パウロは

    「私は早く世を去って
    キリストのもとに行きたいと思う。
    …でも、この地上にいることも必要です」
    (ピリピ人への手紙1章21節〜)

    というようなことを言っていた。




    イエス様のもとへ、
    はせ参じたいということは共感できても、

    苦しいことの多い
    この地上にいても構わない、
    という心境が理解できなかった。



    でも最近、その意味が
    ようやく分かってきた気がした。


    辛いことを避けようと思ったら、
    生きることをあきらめるしかない。

    でも、生きてる上での小さな幸せをも、
    自分の手でもみ消してしまって
    いいわけではないと思う。



    パウロは生きることも死ぬことも、
    キリストと共にあるからこそ、
    どちらも益をもたらすと言っているらしい。


    人生をいくら謳歌しても、
    キリストを知らなければ
    死への恐れは
    いつまでたっても取り除かれず、

    どんな偉業をなしても
    魂の虚しさは埋め合わせられない。


    かといって生きることを投げ出して
    死にたいとばかり願うのも、
    耐え難い人生となってしまう。


    この「生きにくい世」にあっても、
    キリストが共にいてくださるという
    喜びや平安が欠けているから、
    負の悪循環に陥るのだと思う。



    私の場合はそうだった。


    だから今は、
    キリストが与えて下さった人生を
    大切にしようと思えるようになったし、

    生きてるかぎりは
    人は自分で命を絶つもんじゃないと思う。





    充実感とむなしさと
    交互に味わいながら
    何となく分かってきたのは


    「幸せと感じる瞬間を
     積み重ねていくことで
     人は生きていける」


    ということと、

    「人のことは見なくてもいい。
     人と自分を比べなくていい。


     人との比較の中で自分を判断してると
     もろい優越感におちいったり
     嫉妬してやるせなくなったり
     心が落ち着かないから。」

     
    ということ。


    桜の川

    そんな風に生き死について
    苦悶していた頃、
    じゃあもし私が死んだら
    告別式に何の歌を歌ってもらおうか、
    と考えてみた。


    まあ教会で葬儀を執り行ってもらうからには、
    あまり教会からかけ離れた歌を希望しても
    アカンかもしれないけど。


    通夜というか前夜式では、もし可能なら
    「故人が好きだったから」
    という遺言にかこつけて、
    小田和正の「風の坂道」
    流していただきたい。


    もし告別式でかなわないのなら、
    結婚式でも…


    あ、でも結婚式では
    この歌は合わないかなあ。
    どっちみち、告別式でも合わないと思うけど…。



    2年前、姉が披露宴の最後に
    小田和正の「昨日みた夢」を
    かけた時は驚いた。





    小学生の頃に、初めて自分用の
    カセットテープを買ってもらった時、
    姉にポール・モーリアの曲と、
    オフコースの歌をダビングしてもらった。


    歌番組を見ない私は、
    流行の歌手とかホントに知らなくて、
    姉の好みを真似してアーティストも選んだ。


    なので当時の流行りの
    光GENGIやチェッカーズの歌は
    よく知らないけど、
    オフコースやチューリップ、渡辺美里なら
    歌詞を見なくても歌えるほど
    聴きこんでいてた。


    だから「昨日見た夢」は空で歌えるし、
    私も大好きな歌の1つだった。



    「通り過ぎた どの時代にも
     悔いはないけど
     君のいない 世界へ 
     戻りたくない

     多くを望まない 高くを望まない
     君がいるだけで 明日がある

     君が季節で 君が風で 
     君が世界で 君が愛で…」

     『昨日みた夢』(作詞・作曲/小田和正)



    この歌を選んだということは、
    姉は本当にダンナさんを
    愛してるんだなあと勝手に納得し、
    式が終わって誰も歌に耳を傾けていない中、
    1人で感動していた。




    それで、「音楽」という演出は
    けっこう心の琴線に
    ふれるものだと気づいたので、

    私も結婚式か告別式には
    「風の坂道」
    をかけてもらいたいのだ。




    「ありふれた日々が 輝いてゆく
     ありふれた今が 思い出にかわる
     
     誰のものでも 誰の為でもない
     かけがえのない この僕の人生

     言葉の前に走り出す
     いつも遠くを見ている
     
     言い訳していないか
     怒りを忘れてないか
     
     弱いから立ち向かえる 
     哀しいからやさしくなれる
     
     時はこぼれていないか
     愛は流されていないか

     
     二人で生きる 夢破れても
     二人立ちつくしても 明日を迎える
     
     誰のものでも 誰の為でもない
     かけがえのない 今 
     風にふかれて
     かけがえのない この僕の人生」


    『風の坂道』
    (作詞・作曲/小田和正)




    この歌を聴きながら、参列した人々が
    「そうだ…あたい(?)、
     前向きに生きよう!」
    と元気になって帰っていただければ、
    と願っている。


    「元気にならなきゃ」という言葉は、
    何か「うおぉ〜っ」と燃える人のように
    リキんでる感じがする。

    そういうんじゃなくて、
    「すがすがしい気分」というか
    いい映画を観て満足した時のような、
    ほこほこした気持ち。



    私の式に来たということは忘れても、
    その歌詞は忘れないでいてもらえたら。


    ありふれた幸せを大切にする、
    人生の尊さを忘れないでもらえたら、
    うれしいと思う。






    「本当に大切なものに 気がついて
    それを忘れてはいけないと 心に
    決してそれを忘れてはいけないと…」


    春の夕焼け


    コメント
    いつもすがすがしい気持ちで読ませてもらっています。読んでいると自然とそうなるんです。
    自分の世界をしっかりもち、周りの人たちへの感謝を忘れないところがいいね、(りっぱだわ!)見習わなければ・・と思います。
    これからも楽しみにしています。
    • 森のイブ
    • 2006/02/11 11:02 PM
    森のイブさん、コメントありがとうございます。ヽ(*^。^*)ノ
    いつも読んで下さってありがとうございます♪
    言葉って、それを聞いて気分が沈んだりもするし、逆に元気になれたりしますよね。人を傷つけもするけど、生かすこともできる。

    私自身もブログに書きとめた言葉で、落ち込んだ時に浮き上がれたらいいなぁと思って書いてます。

    この舟、心強い水先案内人がいますし…(V^−°)。
    強力な浮力で、たくさんの人が元気になるといいなぁと思ってます。
    • ひらちゃん
    • 2006/02/12 10:14 PM
    いつも素敵な文章をありがとうございます。このエントリーを読んで、とても心があたたかくなりました。勇ちゃんのことを思いだしたからです。確かに告別式は悲しい思い出のひとつで悲しい気持ちがまずやってくるけど、それだけでは終わらず、あとからす〜っと、あったかい気持ちが湧き上がってきます。それは告別式の歌を思い出すからです。遺族にとっても告別式の歌は特別な歌なのだと思います。あったかい気持ちをありがとうございました。
    • ながさわ
    • 2006/02/14 5:08 PM
    僕の告別式の歌は何にしようかなぁ。僕の凱旋に相応しい歌を考えよう。何か楽しくなってきたぞ。
    けど僕は残してきた愛する人に決めてもらおう。まだまだ先の事と思うけどね。
    • まけまけいっぱい」
    • 2006/02/15 9:03 PM
    ながさわ先生、コメントありがとうございました( ^o^)b_♪。ながさわ先生のブログの方にも、コメントさせていただきました(初めて…)。


    まけまけいっぱいさん、コメントありがとうございます。
    「告別式の歌は何がいいかなぁ」とか、「最期に食べるのは何にしようかな?」と考えて、あれもいいしこれも…あぁん決められない、と楽しい気分になれるのはよいことだと思います。
    心が沈んでいる時は告別式の段取りなんて考えるのも煩わしくて、「誰にも知られずひっそり永眠したい…」とか思うものですから。
    「凱旋」というのは、私の記憶が確かならば三浦綾子さんの小説「夕あり朝あり」の中で、クリスチャンの方が亡くなる時に発した言葉でしたね。私も死ぬ間際には、天国へ行くことを「凱旋してまいります」といえる心境になれたらなぁと思います(* ̄∇ ̄*)。
    • ひらちゃん
    • 2006/02/15 10:18 PM
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    結婚記念日2006
    昨日は僕たち夫婦の9回目の結婚記念日だった。 帰宅して、妻とドーナツを食べて祝った。幸せです。 去年とほぼいっしょ。これまた幸せ。 「結婚記念日」
    • 元気です! ながさわです!!
    • 2006/10/13 6:45 PM
    calendar
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
    << October 2020 >>
    selected entries
    categories
    archives
    recent comment
    recent trackback
    recommend
    3月のライオン 4 (ジェッツコミックス)
    3月のライオン 4 (ジェッツコミックス) (JUGEMレビュー »)
    羽海野 チカ
    森見登美彦サンの『夜は短し歩けよ乙女』の解説を描いてらっしゃったことから知った羽海野(うみの)チカさん、可愛らしい絵にほれて購入しましたが『ハチミツとクローバー』を描いた人の作品、と言うほうが分かりやすいでしょうか。将棋はほとんど知識も興味もなかったけど、主人公は悩みの淵にある物語だけど、ほんわかしたキャラクターと食いしん坊な猫たちが面白くて、ダンナ共々はまってます。
    recommend
    エトロフ発緊急電 (新潮文庫)
    エトロフ発緊急電 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
    佐々木 譲
    2010年、直木賞を受賞した佐々木譲の第二次大戦三部作のひとつ。太平洋戦争前夜に零戦を隠密裡に空輸する国家プロジェクトを描いた前作の『ベルリン飛行指令』や、大戦末期、米国が戦争終結のために原爆を用いようとしている、という極秘情報を日本に伝えるべく奔走する『ストックホルムの密使』を読んでから数年、ようやく最近この作品を読みました。三作通じて同じ登場人物が出てくるのですが、米国のスパイとして日本に侵入し、真珠湾奇襲の動向を探る、日系人のこの作品の主人公が一番哀しい境遇かも。「あの戦争」は何だったのか、深く考えさせられます。三作通して読みたい作品。
    recommend
    リアル 8 (8) (ヤングジャンプコミックス)
    リアル 8 (8) (ヤングジャンプコミックス) (JUGEMレビュー »)
    井上 雄彦
    高校生、青春真っただ中。荒涼とした現実の中で、それぞれのキャラクターが自分の道を模索している。高橋が車イスになった現実と向き合いながら、父親との絆を回復していく過程にもらい泣き。
    recommend
    バガボンド(31)(モーニングKC)
    バガボンド(31)(モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
    井上 雄彦
    人殺しの螺旋から逃れることができず、地獄へ向かい続けるのか、それとも光へと歩み出しているのかー。物語の終幕へと向かい出した兆しの見える31巻、武蔵の行く末も気になりますが、お杉婆さんと又八の親子の対話、何度読返しても泣けます。
    recommend
    おむすびの祈り「森のイスキア」 (集英社文庫)
    おむすびの祈り「森のイスキア」 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
    佐藤 初女
    物を食べて一番心が満たされる瞬間は、その食べ物が口に運ばれるまでにたくさんの人の思いがこめられて届けられたことに気づく時。自分が色んな人の優しさによって「生かされているんだ」と感謝できる時。
    自分にも何かできないか、ふと考えてみる一冊。
    links
    profile
    search this site.
    others
    mobile
    qrcode
    powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM
    JUGEMのブログカスタマイズ講座